「三度目の日本」 2020年終わり

BOOK(本)

 三度目の日本 幕末、敗戦、平成を越えて / 堺屋太一 / 2019 / 祥伝社新書

 混沌の令和。
 著者は昨年(2019年)2月に亡くなられたので、令和を知らない。
 昨年読んで、何か書いておこうと思いながら、1年以上経ってしまった。
 書評書く分際ではないし、内容を書きすぎても良くないので、どうしようかなと考えた末、要点だけ(勝手ながら)書かせてもらうことにした。

 2017-2026年に「二度目の日本」が終わって「三度目の日本」が始まるだろう、おそらく五輪が開催される2020年に決定的になるだろう、という聞き捨てならない内容で且つ遺作だったので気になった。

 ちなみに
 団塊の後 三度目の日本 / 堺屋太一 / 2017 / 毎日新聞出版
という本もあるが、こちらは小説バージョン。
  ※ 1947-1951年生まれの人口が異常に多いということで団塊(ダンカイ)世代。

「一度目の日本」、「二度目の日本」 -価値観、産業革命-

 … Ⅰ - 「一度目の日本」 - Ⅱ - 「二度目の日本」 - Ⅲ - 「三度目の日本」

 Ⅰ、Ⅱ、Ⅲが著者が云う「敗戦」 = 価値観(美意識、倫理観)の大転換。

 Ⅰ 幕末・明治維新
   「様式美」から「進取の気性」 ⇒ 会社組織、財閥
 Ⅱ 第二次世界大戦
   物量で敗北、「精神主義」から「物質主義」
 Ⅲ ?

 幕末・開国後、近代化。「一度目の日本」。富国強兵、殖産興業。
 19世紀後半-20世紀前半、短い期間で[第一次]産業革命(石炭、蒸気機関、製鉄)と第二次産業革命(石油、車、電気)を果たす。

 戦後、「二度目の日本」。
 1960年代以降、第三次産業革命(半導体、コンピューター)。

 ※ [第一次]産業革命~第四次産業革命

 第二次~第三次産業革命は規格大量生産、消費市場拡大(大量消費)の時代。

 日本における規格大量生産、大量消費はU.S.A.と違って戦後。
 戦前は大衆市場が育たず、資本家(財閥や農地地主)による労働搾取の産業構造
および消費文化軽蔑。

 戦後、一転して「物質主義」、大量消費。
 1970-1980年代が一番の繁栄期。

 1989年から行き詰まりの兆し。
  ⇒ バブル崩壊

政治主導と官僚主導

 『体制が変わると最初は政治主導』。
 やがて官僚主導。

 戦後、「二度目の日本」では佐藤内閣まで政治主導で、1970年代の田中内閣から官僚主導。

 『官僚主導 5つの基本方針』

  •  東京一極集中(経済産業中枢管理、情報発信、文化創造活動)
  •  流通の無言化
  •  小住宅持ち家主義
  •  会社(職場)単属人間になりなさい
  •  人生の規格化

 『官僚は家族と地域を嫌う』

 「官報体制」(官僚と報道機関の複合体)で世論誘導。

 小選挙区制で結果的に官僚頼みになり、また、世襲議員が増える。

 大災害が起こって官需で復興 ⇒ 益々官僚主導。
  「一度目の日本」では関東大震災(1923年)の後、官僚主導。

今後

 『官僚主導 5つの基本方針』が崩れてゆく可能性が高い局面として

  •  少子高齢化 ・・・ 2020年代に団塊世代が75歳以上になる
  •  地方行政の破綻
  •  大不況
  •  国際情勢
  •  第四次産業革命  

 の5つが挙げられている。

 「一度目の日本」 --- 「強い日本」
 「二度目の日本」 --- 「豊かな日本」 
 「三度目の日本」 --- 「楽しい日本」

 「天国」をやめて「地獄の風」を。

 さんざん官僚批判が繰り返されているが、著者もまた……。

 ある程度の強さ、豊かさがないと「楽しい日本」にはなり得ないし、「二度目の日本」が「天国」ならば、自殺者も出ないだろう。
 また、官僚主導が問題だとしても政治主導に変わっただけで良くなるとも思えない。
 政治主導=「民主導」になっているようにはみえないし……。

 著者が述べていること必ずしもみな共感できるというわけではないが、読みやすくて面白かった。


 さて2020年に決定的になったのは何だろう?。

 少子高齢化も地方の過疎化も今に始まったことではないし、
 消費税増税+ウイルス禍で不況といっても今更価値観が大きく変わるとも思えない。
 1990年代初頭のバブル崩壊から「失われた10年」、「~20年」、「~30年」なので。
 かつての高度経済成長は特別な時代。
 若い世代はその時代を知らない。
 「低欲望」と言われても若い世代のほうが「普通」の感覚ではあるまいか、既に価値観が転換して「三度目の日本」になっているのではないか、と思えなくもない。

 国内の大衆市場が縮小して、市場を海外に求め、戦前の「一度目の日本」に似てきているが、かつては世界中植民地だらけ。今は日本以上の経済成長。グローバル化と相伴って世界中フラット化。

 グローバル化の波にのまれる側になる可能性もあるが、
 ひとまずいきすぎたグローバル化にブレーキがかかった。

 東京が風邪をひいて、日本全国風邪をひくのは脆弱
 ということで、一極集中是正論議が再燃するかもしれない。

 はたまた「民主」の終わりか。
 民主的ではない国 Chinaが、U.S.A.を抜いて世界一の経済大国になる“らしい”。予想が早まって2028年頃。

 もっとも予想に従う必要はないが……。

 今年の漢字は「滅」かな。

 まもなく2020年終わり。

 モーいくつ寝るとお正月……

ふシゼン
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