地球のプレート、プレート境界を描画しようとして、少々間が空いてしまった。続き。
前々々々々々々々回のページから下図が世界の活火山の分布。
前々6回のページから下図が世界の(過去10年間のM5以上の)地震分布。
世界全図レベルで双方見比べてみると火山帯と地震帯は概ね重なり合う。
が、違いもある。
目立った活火山がなくても地震多発地帯がある。
例えば、
インド・チベットからイランにかけて、
ヒマラヤ山脈からウイグルにかけて。
日本列島含む環太平洋、インドネシアは地震、火山ともに活発。
ヨーロッパ北部、アフリカ北部、北米東部、ブラジルはともに安定。
プレート描画
USGSの地震分布の地図にプレート境界が描かれていたので、シェープファイルがあるのでは……と探してみたらKMZファイルがあった。
USGS Plate Boundaries KMZ File(www.usgs.gov/media/files/plate-boundaries-kmz-file) ・・・ リンク先ファイル消えた(2022年10月)
KMZファイルを解凍するとKMLファイル。
KMLファイルは主にGoogleMap、Google Earthで使われているXMLベースのデータファイル。
今回はQGIS(GISソフト)でKMLファイルをGeoJSONファイルに変換して、地震分布の地図に重ね合わせてみた。
世界の(過去10年間のM6以上の)地震分布 + プレート →
主なプレート名は下図参照。
気象庁HP - 知識・解説 - 地震発生のしくみ(www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html)から。
大きなプレートが7つ程。
- ユーラシアプレート
- 北米プレート
- 南米プレート
- アフリカプレート
- インド・オーストラリアプレート
- 太平洋プレート
- 南極プレート
その他、
- フィリピン海プレート
- アラビアプレート
- ココスプレート
- ナスカプレート
日本列島では、
大陸プレートのユーラシアプレート、北米プレート
と海洋プレートの太平洋プレート、フィリピン海プレート
の4プレートがひしめき合っている。
中久喜伴益のウェブサイト(geophys.hiroshima-u.ac.jp/nakakuki/Site/Welcome.html) … 「プレートテクトニクスとマントル対流」のページ(geophys.hiroshima-u.ac.jp/nakakuki/plate_mantle/pm1.html)の図も参照。
- フアン・デ・フカプレート
- カリブプレート
- スコシアプレート
インドプレートとオーストラリアプレートが分かれているが、
大小およそ15のプレートから成る。
プレートは、地殻 + [上部]マントル最上部の岩板(岩盤)。厚さ約100km。
ゆっくり水平移動している。
上図ではプレート境界に作用している力が色付きの矢印で示されている。以下3パターン。
- 赤色:発散 Divergent。海嶺でプレート拡大形成
- 青色:収束 Convergent。海溝でプレート沈み込み
- 緑色:平行移動(横ずれ) Transform
プレート境界では地下方向の運動が絡んで複雑。
海洋プレートが沈み込む海溝では巨大地震が多い。
海洋プレートはズズンズズン深く沈み込んで、沈み込んだ先のマントルでマグマ溜まりが生まれて、その地上で火山が噴火する。
海溝直下に垂直に沈み込むわけではないので、火山帯と地震帯は「少し」ズレている。地震帯の「少し」先が火山帯。島弧-海溝系。
海嶺の地下にもマグマ溜まりがある。
プレートはプレートテクトニクス理論上ほぼ剛体(変形しない固体)とみなされ、実際プレート内は概ね安定しているが、
太平洋プレート内にはハワイのような活火山がある。ホット・スポット。
また、アフリカプレート内には活発な大地溝帯(グレート・リフト・バレー)がある。
USGSのKMZファイルには沖縄トラフやアフリカ大地溝帯なども含まれていたので、合わせて描画してみた。
(USGSのデータファイルから)地球のプレート描画 →
日本列島周辺