【Python】　正距方位図法で世界全図いろいろ描画

　前回の円筒図法は、基本的には球面⇒長方形への投影だが、方位図法は球面⇒円形への投影。

　下図は日本の遥か上空（宇宙）から見た半球。正射図法　Orthographic。

　横浜、U.K.　ロンドン、U.S.A.　サン・フランシスコをプロット。

　以下、Python　Cartopyのコード。

import cartopy.crs as ccrs
import matplotlib.pyplot as plt
fig=plt.figure(figsize=(10,10))
ax=plt.axes(projection=ccrs.Orthographic(
central_longitude=139.60, central_latitude=35.50))
ax.coastlines()
import cartopy.feature as cfea
ax.add_feature(cfea.LAND,color='#9acd32')
ax.add_feature(cfea.OCEAN,color='#7fffd4')
ax.set_global()
ax.plot(139.60,35.50,"mo",markersize='8',
transform=ccrs.PlateCarree())
ax.plot(-0.09,51.51,"bo",markersize='8',
transform=ccrs.PlateCarree())
ax.plot(-122.42,37.77,"bo",markersize='8',
transform=ccrs.PlateCarree())
plt.savefig("Orthographic.png")
plt.show()

　下図は正距方位図法　AzimuthalEquidistant。
　日本中心の世界全図。

　図１の正射図法と違って上空から決して見えることのない地球の裏側まで描かれる奇妙な図。
　中心からの距離と方位が正確。
　中心以外では距離も方位も不正確。
　一番遠い地球の反対側中心が円周部分になるので、円の半径は地球半周２万km。
　　※　反対側中心は対蹠たいせき点　Antipodesと呼ばれる
　　　　35.50N、139.60Eの対蹠点は35.50S、40.40W
　　　　緯度は値そのままでN⇔S、経度は180から差し引いてE⇔W
　　　　Antipodes Mapというサイト（www.antipodesmap.com/）がある

　コードはccrs.Orthographic()をccrs.AzimuthalEquidistant()に変えて、
　ax.gridlines()
とArgentina　ブエノス・アイレスのプロット
　ax.plot(-58.38,-34.61,"bo",markersize='8',transform=ccrs.PlateCarree())
を加えただけ。

　日本の東はハワイ、南米　Chile、Argentina。
　メルカトル図法に見慣れているので、日本の東と言えばU.S.A.　カリフォルニアが思い浮かんでくるが、正距方位図法のほうが方位正確。
　メルカトル図法も「正角」というから、イメージが攫つかめるようになるまで魘うなされるかもしれないが、メルカトル図法で平行に描かれている緯線は実際は直線ではなく極点に近づくにつれて短くなる。広い範囲でみると（メルカトル図法の）地図上の方位と地球上の方位（正距方位図法の方位）は大きくずれてくる。
　つまり、日本から東へ発って逐次東へ東へ進んで行けば（緯線と平行になるように経線と直角になるように進んで行けば）、やがてカリフォルニアに辿り着くが、東へ発った後そのまま一直線だと北緯35°線から南へ反れてハワイ、さらには赤道を越えて南米南方へ向かっていく。

　途中のハワイからブエノス・アイレスは東ではなく南東なので、日本の東方がカリフォルニアで決して間違っているわけではないが、日本から東を向いた視線の先にはハワイ、ブエノス・アイレスがある。

　下図がハワイ中心の正距方位図法。