【中央アジア】 カシミール

WORLD(世界の国々)

 パキスタン最北、インド最北のカシミール地方のページ。
 ヒマラヤ山脈の西、カラコルム山脈の南。
 K2など8000m級の山々がそびえている。

 争いのない桃源郷
 というわけでもなく
 時折紛争のニュースが流れてくる。
 今回のインド-パキスタン紛争は、国際情勢の大変動も加わってエスカレート。アメリカ仲介で即時停戦合意。かと思ったら停戦違反、互いに非難。

 ▼ カシミール地方の地図

Natural EarthのDisputed Areasデータを利用

 西側の橙色部分がパキスタン側、黄色部分がインド側。
 北はウイグル、東はチベット。
 北東の赤色部分(アクサイチンなど)はチャイナとの係争地。
 K2南東のシアチェン氷河は世界最高所の係争地。こんなところで?

 インド側最北部にある峠はカラコルム峠。標高約5500m。
 パキスタン側にある峠がカラコルム・ハイウェイの峠。クンジュラブ峠。標高約4700m。

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パキスタン側

 アザド・カシミール地域 Azad Kashmir
  首都イスラマバードの東

  ムザファラバード
  など

 ギルギット-バルチスタン地域 Gilgit-Baltistan 
  以前は北部地域 Northern Areas

  チラス

  ナンガ・パルバット
   標高8126m。世界9番目

  ギルギット Gilgit
   空港あり

  ギルギットの北からクンジュラブ峠方面へフンザ渓谷。
   カリマバードが中心。

   2010年、地すべりで集落水没、天然の湖誕生。アッタバード湖。

  スカルドゥ Skardu
   バルチスタンの中心地
   空港あり

  K2 ・・・ カラコルム山脈測量番号2号 Karakorum No.2
   標高8611m。世界第二、ウイグル国境。
  K2の南のブロード・ピーク、ガシャーブルムも8000m峰。

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インド側

 近年(2019年)、ジャンム&カシミール州はインド連邦直轄地になり、東側のラダック地方が分離した。

 ジャンム&カシミール連邦直轄地
  ジャンム Jammu

  アナントナーグ Anantnag ・・・ スリナガルの南

  パハルガム ・・・ アナントナーグ北東
   観光地。今回の紛争の発端になった。

  スリナガル Srinagar
   空港あり

  アマルナート洞窟寺院
   ヒンドゥー教の聖地。パハルガム北東に位置。

  バラムラ

 段彩陰影図を描いてみるとスリナガル、バラムラ、アナントナーグなどの一帯は盆地。カシミール盆地(カシミール渓谷とも) Kashmir Valley。

 ※ カシミール3Dというソフトもあるが、JavaScriptで描画。段彩の配色がちょっとアレだが(水色部分で標高1000mある)、灰色・白色は標高3000m以上
   読み込みに少々難あるかも

 山脈がインド-パキスタン境界線になっているわけではない。

 南のジャンム管区がヒンドゥー教主流、カシミール盆地がイスラム教主流なので、
 カシミール地方の中でも特にカシミール盆地とその周辺がインドとパキスタンの綱引きの地域。

 以前からスリナガルの北西、バラムラまで鉄道が走っているが、ジャンム~カシミール盆地は最近まで途中区間(カトラ~バニハル)が未完成だった。
 2024年-2025年、途中区間が完成して全通。
  途中区間のチェナブ橋は高さ世界一の鉄道橋。高さ359m。

 近年、インド政府が州を連邦直轄地にしたので(自治権を剥奪したので)、[旧]州内から反発の動きもある。
 衝突の伏線が随所にある。どちらにつくかではなく、中立な立場で仲介したいところ。

ラダック

 かつてジャンム&カシミール州の一部だったが、分かれてラダック連邦直轄地 Ladakh。
 歴史的にチベットとつながりがあり、仏教主流。チャイナの支配下に入ることなく続いているチベット文化圏。

 カルギル Kargil
  ラダック第二の町。イスラム教。
  スカルドゥ(パキスタン側)の南。

 レー Leh
  かつて存在した仏教国・ラダック王国の都
  空港あり

 パドゥム Padum
  ザンスカールの中心地。王国の時代もあった。ザンスカール王国 Zanskar。(ザンスカール帝国ではない。)

 インダス川上流はギルギットの南からスカルドゥ、レー、西チベットまで遡る。源流はカイラス山(チベット ガリ地区)。

 厳しい環境にもかかわらずチベットには古くから国家が存在する。
 7世紀-9世紀の吐蕃(とばん)王国がチベット統一王国。強国。チベットは最初から仏教国というわけではなかった。
 吐蕃王国分裂後、流れをくんだ仏教国が西チベットで存続。グゲ王国、さらに西にマルユル国(「低地の国」という意味らしい。高地だけど。のちラダック王国)。
 のちグゲ王国とラダック王国が抗争。

 チベット~カシミールは古くから国家が存在し、争いも起きている。存外複雑な歴史を歩んでいる。

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