地震 活断層にかかる力

GEO(地)

 2月5日 神奈川も積雪。ほぼ初雪。


 能登半島大地震から1ヶ月経過。
 国土地理院 … 令和6年(2024年)能登半島地震に関する情報(www.gsi.go.jp/BOUSAI/20240101_noto_earthquake.html)に続報が追加されていて、
 「8. 災害現況図」に能登半島の津波、土砂災害などの範囲が示されている。
 被災範囲は広範に及んでいるが、とりわけ輪島市と珠洲市の境、曽々木~宝立山に赤色(斜面崩壊・堆積範囲)が目立ち、見附島(元?軍艦島)のある飯田湾に水色(津波到達範囲)が目立つ。

 ※ 1ヶ月前にまとめたページにもリンクつけておいた

 「11-1. 【参考】過去地震の地殻変動との比較」から関東大震災(大正関東地震)の地殻変動の図も見られる。
 阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本大地震はいずれも沈降。
 1891年の濃尾地震(岐阜の根尾谷に震源断層)は、変動量垂直最大約6m、水平最大約8m、とある。おそろしや。

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震源断層(活断層)にかかる力

 今回の能登の大地震は、大陸プレート内で起こった内陸型(直下型)地震。震源の深さ16kmで地殻内。
  ※ 北陸の大陸プレート(北米プレートとユーラシアプレート)の境界は不明な点あり
 阪神・淡路大震災、熊本大地震も大陸プレート(ユーラシアプレート)内の活断層で起こった内陸型(直下型)地震。

 大きく分けると
 ・ 内陸型(直下型)地震
 ・ 海溝型地震
がある。
 東日本大震災は後者。海洋プレート(太平洋プレート)と大陸プレート(北米プレート)の境界で発生。

 プレート境界にかかる力は、
 ・ 平行移動(横ずれ)
 ・ 発散 ・・・ 海嶺でプレート拡大形成
 ・ 収束 ・・・ 海溝でプレート沈み込み(海溝型地震

 内陸型(直下型)地震の活断層にかかる力は、
 ・ 平行移動(横ずれ)
 ・ 正断層
 ・ 逆断層
 正断層は引っ張り(伸長)の縦ずれ。
  断層面の上盤が下へ
 逆断層は圧縮の縦ずれ。
  断層面の上盤が上へ

 ▼ 震源断層(活断層)にかかる力

地震調査研究推進本部(www.jishin.go.jp/)から

 上図の横ずれの左右は震源断層に向かって見た時、断層の向こうが左に動くか右に動くか。
 矢印は斜めになっていて、茶色が圧力軸(圧縮軸)、青色が張力軸。

 上図の他、横ずれと縦ずれが同時に起こる場合もある。

 タマっころ(震源球)を見ると横ずれ、縦ずれ(正、逆)か分かる。

 基本的に地震とは
 プレート境界、活断層で起こる地盤のずれ。
 海溝型地震および内陸型(直下型)地震の逆断層が、圧縮。
 今回の能登の大地震は、逆断層型。震源断層は北東-南西。圧力軸(圧縮軸)は北西-南東。

 追)もう1つ別のタイプ。深く沈み込んだ海洋プレート内(スラブ内)地震について

 日本列島は東~南の太平洋プレートやフィリピン海プレートから押されて、一方、西~北の大陸プレートは巨大プレートで押し返されてしまう。
 以前、「地球のプレート」で産業技術総合研究所の東西短縮の記事にリンクしたが、
 大雑把にみると東西方向、北西-南東に圧力がかかる。
 九州や東北では南北方向に伸びる力もはたらいているとのこと。
  ※ 九州は別府-島原地溝帯で南北に引き裂かれている
 各地一様ではなく、歪(ひず)みがたまりやすい地帯もある。

 2000年に命名された「新潟-神戸歪み集中帯」は、その名のとおり新潟から兵庫県神戸にかけて歪みがたまりやすく、地震が起こりやすい。
  阪神・淡路大震災、新潟中越地震(2004年)、先述の濃尾地震など。
 防災科学技術研究所「ひずみ集中帯~プロジェクト」(www.hizumi.bosai.go.jp/)に載っている地図の青色部分が「新潟-神戸歪み集中帯 NKTZ Niigata-Kobe Tectonic Zone」。

 新潟から東北~北海道の日本海沿岸も歪み集中帯。「日本海東縁歪み集中帯」。こちらは北米プレートとユーラシアプレートの境界とほぼ重なる。

 日本列島から地震はなくならない。
 壊れたら復興、その繰り返し。

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ふシゼン
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