2025年12月27日 南極観測船(砕氷艦)しらせ 南極・昭和基地に無事到着。
12月25日にもう少し沖合からヘリコプターで第67次南極地域観測隊が昭和基地に到着、『初荷』。66次隊越冬隊と合流。
南極観測は毎年続いているが、今年(2025年)はしらせに乗船(乗艦)できたので、関心度も例年よりアップ。
輸送、観測支援が海上自衛隊の任務。
観測隊は国立極地研究所 南極地域観測隊 JARE Japan Antarctic Research Expedition。
詳しくは以下のHP。
国立極地研究所(東京・立川)
南極観測HP(www.nipr.ac.jp/antarctic/)
観測隊ブログ
昭和基地のライブカメラもある
しらせは11月19日に母港・横須賀出港。赤道をまたぐので、いったん夏を経由する。
~フィリピンの南
~インドネシア マカッサル海峡
11月26日 赤道通過
~インドネシア ロンボク海峡
~西オーストラリア州フリマントル(パースの南)
観測隊隊員は今は日本から乗船しない。12月4日、空路で日本からパース、フリマントルへ移動してしらせに乗船(合流)。
12月8日、フリマントル港出港。南極へ。
暴風圏 『凶暴の50度、号泣の60度』
南緯66.5度以南が南極圏。
▼ 氷を融かしながら進むしらせ。しらせ操舵室にあった写真

厚さ1.5mまでの氷は、『強力な推進力で連続的に砕氷』 ・・・ 連続砕氷
厚さ1.5m以上の氷は、一旦後退させてから『最大馬力で前進し氷に乗り上げ、艦の自重で』砕氷 ・・・ ラミング(チャージング)砕氷
今回、往路のラミング回数は20回とのこと。
昭和基地がある東南極
しらせは前回(2024年-2025年)、フリマントル~南極の暴風圏を2往復した。観測隊史上初めて。
今回(2025年-2026年)も2往復。2月に1度フリマントルに戻って、再び南極へ向かう予定。
パースからほぼ真南に位置するトッテン氷河を調査。
1度目(レグ1)昭和基地からの復路および2度目(レグ2)に調査。
2度目(レグ2)は昭和基地に向かわない。
トッテン氷河は東南極最大級の氷河で、縮小中。当初考えられていたよりも速く融けている。
氷河・氷床の融解メカニズム解明、モニタリングなど実施。
融解するスピードは一定ではなく、だんだん加速していくとも言われている。
トッテン氷河は東経116°くらい、昭和基地は東経40°くらい(南緯69°)。アフリカの南方なので結構離れている。
▼ 南極の地図

南極大陸描画 →
昭和基地のプロットクリックで、東南極 東経0°-東経80°の主に沿岸部のページへ。
以前よりプロット増加。
今は南アフリカのケープ・タウンからDROMLANという南極航空網もある。
DROMLAN:Dronning Maud Land Air Network ドロンニング・モード・ランド航空網
昭和基地はドロンニング・モード・ランドの東。
リュツォ・ホルム湾オングル諸島東オングル島。
南の湾奥に白瀬氷河。
さらに南方、内陸にドームふじ基地。
周辺でアイスコア掘削。100万年以上前の世界最古[級]の氷を採取する。
ドームふじ観測拠点Ⅱ
昭和基地の東はエンダービー・ランド。
▼ 国立極地研究所の昭和基地ライブカメラ(www.nipr.ac.jp/webcam/)から。2025-12-28 04:47

『日本との時差はマイナス6時間』
日の出のようだが、昭和基地は11月下旬から1月下旬まで白夜(びゃくや)。太陽が沈まない。
しらせは2026年(令和8年)4月23日、横須賀に帰還予定。



