先月(2025年6月)から続いている鹿児島・トカラ列島(吐噶喇列島)の群発地震。
諏訪之瀬島の御岳も活発に噴火している。
トカラ列島のページから南部(悪石島~宝島)のページを分けた。
悪石島
悪石島(あくせきじま)は、仮面神ボゼで有名。夏、盆踊りの後顕れる。“武器”はマラ棒。
最高峰は御岳(みたけ)。標高584m。
▼ やすら浜港から

「悪い石」が転がっていた。
平家伝説の伝わる島。追っ手が寄りつかないよう恐ろしげな名を付けたという説もある。が、平島は?という疑問も湧いてくる。
温泉あり。
人口100人に満たないが、学校健在。悪石島学園。
沖縄からの学童疎開船「対馬丸」の慰霊碑がある。1944年8月、悪石島沖を航行中、アメリカ軍の潜水艦に撃沈された。
小宝島/宝島
亜熱帯の南西諸島と九州以北の動物の分布境界が奄美大島と屋久島の間に引かれている(渡瀬線)。トカラ列島においては小宝島(こだからじま)と悪石島の間。
小宝島と宝島はトカラハブ生息地。
小宝島
サンゴ礁の島。
透明度が高くてキレイな海。
▼ 小宝島港

トンガリ岩がある。
温泉あり。
東に比較的大きい小島がある。
宝島
23:50、鹿児島港出航~13:00頃、リアル宝島到着。
サンゴ礁の島。
人口100人以上。
最高峰はイマキラ岳。標高292m。
大鍾乳洞がある。
1824年 イギリス人上陸。
1825年 江戸幕府 異国船打払令。
温泉あり。
▼ 前籠(まえごもり)漁港

次は奄美・名瀬。
Link
宝島観光サイト(takarajima-tokara.com/)
群発地震について
小宝島と宝島はサンゴ礁の島。トカラ列島の中では火山活動のない平穏な島々と思っていたが、地震多発地帯だった。
以前、九州は地震が少ないところと思っていた。
2021年に諏訪之瀬島の御岳の噴火活動が活発化して、
2021年4月と12月に群発地震。
2021年12月9日に震度5強。
2023年9月に群発地震。
2023年5月13日に震度5弱。この時の震源は口之島の東。
震源はほぼみな悪石島と小宝島の間。
▼ 2021年12月 震度2以上

12/4-12/17 103回。
2021年4月にも群発地震。震度2以上 4/9-4/24 89回。2021年12月とほぼ同じ海域。
▼ 2023年9月 震度2以上

9/8-9/19 109回。うち95回が9/8-9/9。西のほう(宝島北西)にも震源分布。
▼ 2025年6月 震度2以上

6/21-6/30 227回(うち震度4以上11回)。7月に入っても継続。過去最多。
先日(6月30日)の震度5弱の地震は悪石島。小宝島は震度2。
本日(7月2日)も悪石島で震度5弱。小宝島は震度3。
一連の地震の震源は悪石島よりも小宝島のほうが近いが、震度5弱の震源は2回とも2島の中間付近。
と思ったら本日(7月2日)2回目の震度5弱。小宝島。宝島で震度3。震源は宝島の北。
2000年10月にも悪石島南西で震度5強の記録がある。
小宝島の北西海底に火山地形があり、
宝島の南方の横当島も火山島。
横当島は有史以来無人島。北に上ノ根島。
さらに(地図上で)南西に目を移すと硫黄鳥島という火山島もある。徳之島の西。なぜそこが沖縄県久米島町?と思わずにはいられない。
ただ、群発地震が起きている海域で海底火山が噴火しているというわけではない。
▼ トカラ列島の海底地形図

小宝島の東の海底が谷。トカラ・ギャップ。
南東に奄美海台。
鹿児島~沖縄の東は琉球海溝(南西諸島海溝)。フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界。
鹿児島~沖縄の西に沖縄トラフ(沖縄舟状海盆)。
琉球海溝は九州沖で南海トラフに続いていて、
フィリピン海プレートはユーラシアプレートの下に沈み込んで……
“法則”なるものが囁かれているようだが、
ならば次の群発地震は2027年3月……
まあ、“法則”なるものは存在しない。ただ、備えあるに越したことはない。
鹿児島~沖縄に関しては西の沖縄トラフに注目する必要もある。
沖縄トラフは南北方向に拡大している。
※ 200万年前から拡大
沖縄トラフの北が別府-島原地溝帯で、ここを境に九州が南北に引き裂かれている。
沖縄トラフの南、沖縄・八重山諸島においては南へ力がかかっている。
参考)
- 国土地理院 … 九州の地殻変動ベクトル 電子基準点が捉えた地殻変動ベクトル(水平)(www.gsi.go.jp/kyusyu/test.html)
固定点:福江島 - 琉球大学 島嶼防災研究センター(bousai.skr.u-ryukyu.ac.jp/) - 地震災害 - 琉球諸島のテクトニクス、地震活動
『琉球諸島周辺では地震が少ないといった間違った考え方がある』
一連の地震は大陸プレート(ユーラシアプレート)内で起きている内陸型地震。
震源の深さ10km-30km。
先日(6月30日)の震度5弱の地震は、『北西-南東方向に張力軸を持つ正断層型』。つまり、北西-南東に引っ張る力が働いている。
沖縄トラフでは正断層型の地震が多い。
本日(7月2日)2回目の震度5弱の地震は、『南北方向に張力軸を持つ正断層型』。震源の深さ10km(速報値)だったが、深さ1kmに更新されている。非常に浅い。
過去の例からみると収束(終息)に向かう頃合いだが、本日(7月2日)震度5弱2回。2日間で震度4以上10回。
分からないことが多いと不安になるが、大自然相手なのでなるようにしかならない。神頼み。