eVTOL 「空飛ぶクルマ」

TECH(工)

 「空飛ぶクルマ」について。

 見た目はクルマ(車)というよりヘリコプターもしくは大型のドローン(有人ドローン)。

 ゆくゆくはクルマ(車)のように量産・普及させたいという思惑があって、「クルマ」という名称がついているのだろう。だが、高いハードルがある。

 当初、2025年大阪・関西万博の目玉の1つとして話題にのぼっていたが、連日シャトルで利用するのはまだ無理だろうと思っていたら、やっぱり無理だった。
 デモ飛行(来場者は観覧)は万博会場・夢洲 EXPO Vertiport~海上で、
 ・ 4月 丸紅/LIFT AIRCRAFT社(アメリカ) HEXA
 ・ 8月 SkyDrive社(日本) SD-05
 ・ あと10月にANAホールディングス/Joby Aviation社(アメリカ) Joby S4

 LIFT Aircraft社 HEXAは機体の部品が落下して、デモ飛行は途中まで。
 丸紅/Vertical Aerospace社(イギリス) VX4はデモ飛行見送り。

 JAL/住友商事は断念。
  Soracle(ソラクル)社共同設立。
  Volocopter社(ドイツ)からArcher Aviation社(アメリカ)へ機種変更。

 今月(9月)、大阪港バーティポート(港区)でもデモ飛行。
  Osaka Metro/SkyDrive社

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eVTOL

 一般的なヘリコプターは、
 ・ メインの大きなローター(プロペラ)と尾部の小さなローター(テール・ローター)
 あるいは
 ・ 尾部も大きなローターで、前後に2つの大きなローター ・・・ タンデム式。

 オスプレイ[輸送機]のように左右に2つのローターがあるヘリコプターは、ティルト・ローター機
 離陸後、ローター(プロペラ)を前方に傾けて、(飛行機のように)高速飛行も可能にしている。
 (ローターではなく)ローターが付いているウィング(翼)を傾ける機体はティルト・ウィング機

 ヘリコプターはホバリング(停空飛行)できるが低速飛行。
 高速飛行可能なティルト・ローター機ティルト・ウィング機は、ヘリコプターとは別に分類されていることが多い。

 ティルト・ローター機ティルト・ウィング機は、滑走路を必要としない垂直離着陸機 VTOL Vertical Takeoff and Landing Aircraft。従来のヘリコプターも滑走路を必要としないが、VTOLと別に分類されていることが多い。

 「空飛ぶクルマ」はVTOL。
 ローターが3つ以上あって機動性の高いドローンの有人バージョン。
 搭乗人数4-5人くらい。

 VTOLの離着陸場は、ヘリポートとは別にバーティポート Vertiportという名で呼ばれている。

 「空飛ぶクルマ」は電動なので(バッテリー、モーターで動くので)eVTOL(電動垂直離着陸機)。

 「空飛ぶクルマ」という名称が気に入らないという人もいると思うが、またの呼び名はeVTOL。

 ▼ 高輪ゲートウェイ・シティ(東京)に展示されていた「空飛ぶクルマ」の3分の1モックアップ(模型)

「空飛ぶクルマ」

 JR東日本/ASKA社(アメリカ) A5。
 陸空両用で地上走行できるので
 まさしく「空飛ぶクルマ」
 もしくは
 「陸走るヒコーキ」。
 短距離離着陸 STOL Short Takeoff and Landingも可能。
 ローター(プロペラ)6つ。
 最大巡航速度240km/h、最大航続距離400km。
 将来、品川(高輪ゲートウェイ・シティ)発着で中長距離プライベート観光検討中。

 JR東日本は2028年度から岩手でも「空飛ぶクルマ」の商用運航開始予定。こちらの機体はSKYDRIVE。
  SkyDrive(スカイドライブ)社(skydrive2020.com/)
   愛知県豊田市
   万博会場でSD-05デモ飛行
    ローター(プロペラ)12
    最大巡航速度100km/h、最大航続距離10km
 盛岡~雫石・小岩井。
 小岩井にホテル建設中。AZUMA FARM KOIWAI。2026年春OPEN予定。
 飛行距離40kmになっている。

 SkyDrive社はJR九州とともに大分でも商用運航計画中。
  2028年度頃、別府湾遊覧、別府~湯布院。

 ▼ 「未来へつながる鉄道とまちづくり展」(in 高輪ゲートウェイ・シティ)にあったパネル

「空飛ぶクルマ」と鉄道

 商用運航は当初予定より延びに延びて2026年以降。
 安全面考えるとしかたない。
 すんなりいくならMRJもうまくいっている。

 ソラクル社/Archer Aviation社が2027年、大阪で商用運航計画中。
 ANA/Jobyが2027年度、成田空港~東京都心、羽田空港などで商用運航開始予定。
  最大巡航速度320km/h。最大航続距離160km。

 「空飛ぶクルマ」は「空飛ぶタクシー」(エアタクシー)。

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