【霧島山】 新燃岳など -火山情報-

SOUTH(南)

 5月に活発だった桜島がおとなしくなって、今度はトカラ列島の群発地震と霧島・新燃(しんもえ)岳の噴火。

 2025年6月22日、噴火。
 2018年以来7年ぶり。
 もくもく噴火しているが、(今のところ)『小規模な水蒸気噴火』。

 霧島[連]山の韓国(からくに)岳と高千穂峰の中間にある火口が新燃岳(標高1421m)の山頂火口。

 下は霧島連山のページ。

 ▼ 韓国岳から新燃岳、高千穂峰

 新燃岳の山頂火口は直径約750m。深さ約180mだったが、2011年の噴火以降、上のほうまで溶岩で埋もれた状態。
 今回、火口中央ではなく火口の北の割れ目から噴火している。
 +)2025年7月、火口の南からも噴火

韓国岳から新燃岳、高千穂峰
2011年新燃岳噴火より前
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火山情報

 霧島山は紀元前の昔からほぼ断続的にどこかしらで噴火している。国内の数ある活火山の中でも活発な火山。

 硫黄山(えびの高原) 噴火 [2018]

 新燃岳 噴火 [2017-2018]

 新燃岳 マグマ噴火 [2011]
  1月に爆発的噴火。東日本大震災の前。当時宮崎県は多難だった。
  山頂火口湖(新燃湖)消失。溶岩ドーム出現。
  東の高原(たかはる)町など降灰被害。
  小さな噴石(火山礫)や空振による被害。

 2011年より前もたびたび水蒸気噴火などが起きているが、
 中規模以上の噴火は1959年以来。
 さらに遡ると
 ・ 新燃岳 噴火 [1822]
 ・ 新燃岳 享保噴火 マグマ噴火 [1716-1717]
など。

 江戸時代の享保噴火が新燃岳過去最大規模の噴火。
 この噴火で山名が両部岳から新燃岳に変わったとのこと。
 東の高原、高崎、山田など火災、降灰被害。
 高崎川、霧島川に火山泥流(土石流)。

 2011年の噴火以降、新燃岳には登れない状態が続いている。噴火警戒レベル1でも不可。火口から半径1km立入規制。

 霧島山の縦走ルートは、

  •  えびの高原 - 韓国岳 - 琵琶池 - 獅子戸岳 - 新燃岳 - 中岳 - 高千穂河原(高千穂峰登山口)

 新燃岳の北の獅子戸(ししこ)岳、南の中岳は登れるようになったが、
 噴火警戒レベル2に上がると登れなくなる。概ね半径2km(状況により半径1km)立入規制。

 警戒レベル3に上がると概ね半径3km(状況により半径4km)立入規制。
 現時点(2025年6月)、警戒範囲半径3km。
  『大きな噴石が新燃岳火口から概ね3kmまで、火砕流が概ね2kmまで達する可能性があります』

 韓国岳は半径3km圏外、半径4km圏内。登山可。

 高千穂峰は半径4km圏外。
  高千穂河原から登山可。
  東の高原町側は独自に入山規制している。

 高原町の街はそこそこ離れている。
 火山灰、火山ガスは風向き次第。

 同じ警戒レベル3でも今年(2025年)3月にレベル2から上がった時は警戒範囲半径4kmで、韓国岳も高千穂峰も入山規制がかかった。
 流動的なので、要確認

・ 高千穂河原ビジターセンター(takachiho-visitorcenter.org/)
・ 火山監視ブログ … 【新燃岳】ライブカメラ。(kazan-kanshi.blog/194/)


 ▼ 新燃岳火口から半径1km、2km、3km、4km

 火砕流、溶岩流などの火山災害予測図は、2011年の噴火を上回るような大規模マグマ噴火(噴火警戒レベル4、5)の場合。
  影響予測範囲は、南西と東の高原町方面。
  約300年前の享保噴火および約5000年前の噴火を基に想定、とのこと。

※ 詳細は気象庁や周辺自治体(県・市・町)などの火山災害予測図へ
  ・ 気象庁の情報提供ページ(www.data.jma.go.jp/vois/data/report/activity_info/551.html)
  ・ 霧島市観光協会(kirishimakankou.com/)
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 新燃岳の地下よりも(韓国岳の西の)えびの岳付近の地下深くに大量のマグマ溜まりが存在していて、ここから新燃岳のほうに供給されると本格的なマグマ噴火に移行する恐れがあるとのこと。

 近年は新燃岳や硫黄山(えびの高原)からの噴火だが、
 100年前から遡ってみると(1923年以前)、大半は高千穂峰の御鉢からの噴火。

 13世紀の御鉢大噴火で、高千穂河原の霧島神宮(古宮)焼失。

 ※ 気象庁 日本活火山総覧、地質調査総合センター 日本の火山など参照   

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新燃荘、

 新燃岳の活動が活発になってくると登山道の他、
 西~南の新湯温泉湯之野温泉高千穂河原の区間(県道104号)に規制がかかってくる。火口から半径3kmくらい。

 今のところ(2025年6月時点)、新湯温泉高千穂河原はギリギリ。営業可。
 (同じ警戒レベル3でも)警戒範囲が半径4kmに拡がると避難が必要になってくる。
 (拡がる可能性がある。)
 +)2025年7月時点、新湯温泉は営業見合わせ
   高千穂峰登山はヘルメット必要

 高千穂河原は南の霧島神宮方面へ下れる。

 新湯温泉は宿1軒。新燃荘。
 標高920m。霧島温泉郷の一番上に位置する。
 避難はえびの高原方面になっている。

 新燃荘は2011年の噴火の際、休業を余儀なくされた。 
 2012年に営業再開。
 2019年リニューアル。

新燃荘   → 民営国民宿舎Webガイドのページ(www.minkoku.com/yado/top.php?yado_id=84)

 噴火する前(鹿児島県牧園町が霧島市になる前)泊まった。

 一帯ただよう「硫黄臭」。
 強力な硫黄泉。大量に硫化水素を含んだ特殊な温泉。
 1回の入浴は30分以内。
 再入浴は1時間以上休憩してから。

 ▼ 新燃荘の紹介記事がいっぱい

 昔は砒素燃(ひそもえ)の湯といわれた。

 過去にあった地すべりやガスの事故に関する記事、新燃荘主人の苦闘の記事などなど。

 日本の秘湯番付(南日本新聞) 西の大関。
  西の横綱:鹿児島 平内、張出大関:大分 法華院
  東の横綱:北海道 湯の滝、大関:新潟 蓮華

 新燃荘の少し南に位置する湯之野温泉も宿1軒。みやま荘。(前から閉館状態のよう。休業中)。
 硫黄泉。
 霧島神宮温泉の源泉。
 一帯シカがうろうろ。

 湯之野温泉の南に千里ヶ滝。

 硫黄泉は浸かり過ぎると体臭が「硫黄臭」になる。

 新燃岳はしばらく登れそうにない。登っておけば良かった。

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