松本さんの宇宙漫画 銀河鉄道999、……

LIFE

 先月亡くなられた松本零士さんの代表作・銀河鉄道999(スリーナイン)について。
 私自身は999、宇宙海賊キャプテンハーロック、宇宙戦艦ヤマトよりも後の世代で、ド真ん中というわけではないが、
 船や戦艦が宇宙を駆け巡るアニメの土台はハーロックやヤマトなのですね。

 999の漫画本・1-12巻は少年画報社。
 ヤマトは秋田書店2巻。のちにもめてしまったが、
 999もヤマトもあとあと続いて、「新・~」もあって、
 今度の最新ヤマトは3199。

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銀河鉄道999

 将来、機関車が宇宙を駆け巡ることはないと思うが、
 まあ、ないだろうね。

 数ある松本さん作品群のうちリアルタイムで少し記憶に残っているのが銀河鉄道999。
 プロメシューム(いわゆるラスボス)が滅び逝く場面とか。
 まだ物語を理解できない年頃だったので、記憶は断片。
 メーテルの印象も黒衣装に闇深そうなお目々だから、ついていっちゃいけない人のカテゴリーだった。

 漫画本のメーテルは普通に美人でしたが……。

 物語を理解できるようになって見直してみたら、爽やかなテーマソング(ゴダイゴ)とは裏腹に結構おぞましい話の連続で、なかなかの鬱物語(だと思った)。

 早々に主人公・星野鉄郎の母さんが機械化人間に狩られて、
 アニメでは「時間城」にいるボス・機械伯爵への復讐がハイライトの1つでしたが、
 漫画本だと999に乗る前にあっさりと完結してしまう。

 まあ、細かいことにはこだわらない。
 が、漫画本だとクリスタルガラスのクレアさんも早々かけらになってしまう。
 うそーん、終着駅まで行っているんですよー。
 もっとも漫画本でも鍵となるキャラでありますが。

 999の車掌はお気に入りのキャラ。
 (中身が気になる。スネ夫という意味ではなく)
 機関車C62とのやりとりが楽しめる。
 ですが、漫画本だと初っ端から乗客のおばさんを車外へブン投げてしまう。
 『この列車は悪魔の列車なの?』

 ハイ、乗ったが最後、戻れません。

 始発駅はメガロポリス中央駅
 次、火星
 タイタン ・・・ 土星の衛星
 冥王星
 彗星の巣(コメットステーション)
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 サケザン大陸
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 トレーダー分岐点 惑星トレーダー
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 ウラトレス
  『人間の文明の基本は火と車輪とネジよ』
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 トレーダー分岐点 惑星ヘビーメルダー
  「時間城」
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 最後の晩餐駅
 終着駅

 鉄郎のパス(定期)は往復無期限なのに
 車掌曰く、帰りの999に乗客は絶対乗せません---

 おそるべし銀河鉄道株式会社。

車掌さんの銀河鉄道株式会社HP(galaxyrailway.com/ge999/toppage.html

 停車時間はその星の1日(自転周期)という設定になっているが、
 太陽系出た後はムチャクチャな星々。
 行く先々みな物騒で
 命がいくつあっても足りない。

 住んでみたいと思うような星は、えー、ないかな。
 自分の星から別の星へ脱出しようと考えている住民の多いこと多いこと。

 大金ないと乗れない999。
 乗っても前途多難の999。

 機械の体を手に入れるべく旅立った鉄郎。
 生身の体を失って後悔する機械化人間。

旅の終着

 機械の体、永遠の命を求めて……。

 終着駅はアンドロメダ大星雲の惑星メーテル。漫画本だと惑星大アンドロメダ。

 多くの人は一度は考えると思う。
 仮に永遠の命を手に入れたとして事故・事件に遭ったらどうなるよ、と。

 作中の機械化人間は強そうでいて結構脆い。
 ロボットではなく一応「心」はある。
 生きているというのか
 生かされているというのか
 考えすぎると鬱になる。

 銀河鉄道999は「ガリバー旅行記」の宇宙版のように思える。
 この上なく壮大で、想像力豊か。
 様々な生命体が登場し、旅の途中はムチャクチャだけど、描かれているのはアニミズム的大宇宙。

 生身の体、限りある命。
 結局、これで十分。

 ?旅立った作者はどの星へ向かったのだろう?

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