元素 > 素粒子

 万物の根源---

 紀元前、古代ギリシャにおいて、
 ・ 万物の根源は水
   タレス、
 ・ 万物の根源は火、空気、水、土 ・・・ 四元素説
   エンペドクレス、
 ・ 万物の根源は粒(原子) ・・・ 原子説
   分けられないもの=アトム
   デモクリトス、

 古代中国において、
 ・ 万物の根源は火、水、、土 ・・・ 五行

 錬金術盛んな時代を経て---

 17世紀、ボイル(イギリス) 『懐疑的な化学者』
 分けられないもの=元素。四元素説否定、異端だった原子説復活(の兆し)。実験が必要。

 18世紀、産業革命(イギリス発)。

 18-19世紀、数々の実験によって数々の法則
 ⇒ ドルトンの原子説。分けられないもの=原子。最初の原子量表

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ソ、-素粒子について-

 1897年、電子発見。トムソン。
  最も軽い水素原子よりも軽い(小さい)粒子。

 電子はあらゆる原子の構成要素。
 原子の中心に「原子核」がある。
  ラザフォードの実験

 1919年、陽子発見。ラザフォード。
 陽子は水素原子の原子核(水素イオン H+)。

 今から100年前、電子、光子、陽子が素粒子の全て。
  エレクトロン、フォトン、プロトン。

 1932年、中性子発見。チャドウィック。
  ニュートロン。

 原子 > 原子核(陽子、中性子)
  原子 = 原子核 + 電子

 1930年代以降、様々な素粒子発見。
 ・ 反粒子
   電子 eの反粒子 = 陽電子 e+
 ・ 中間子
   湯川秀樹博士が存在を予言。のちπ中間子発見(確認)
   核子(陽子、中性子)を結合させている核力を担う粒子
 ・ ミューオン(μ粒子)
 ・ ニュートリノ
   パウリが存在を予言。のち発見(確認)
 ・
 ・
 ・

 陽子、中性子はクォークから構成。
 クォークが物質の最小単位。ただし、単独では取り出せない。

 ▼ 物質の基となる素粒子

クォークアップクォーク u
ダウンクォーク d
レプトン電子 e
ニュートリノ ν

 電子やニュートリノは質量が小さい。強い相互作用をしない。
 レプトン(軽粒子)と呼ばれる。

 核子(陽子、中性子)はバリオン(重粒子)と呼ばれる。
 3つのクォークから成る。
 ・ 陽子 p = u u d
 ・ 中性子 n = u d d

 バリオンとメソン(中間子)合わせてハドロン。

第2世代、第3世代、

 割とよく見掛ける素粒子の表。素粒子の標準模型。

第1世代第2世代第3世代
クォークu
d
チャームクォーク c
ストレンジクォーク s
トップクォーク t
ボトムクォーク b
レプトン電子 e
電子ニュートリノ νe
ミューオン μ
μニュートリノ νμ
タウオン τ
τニュートリノ ντ

 第2世代のミューオン(μ粒子)が火山や古墳などの内部を透視できるということで時折話題にのぼる。
 ミューオンは言わば質量の重い電子。
 第3世代のタウオン(τ粒子)はもっと重い。
 構成するクォークも第2世代、第3世代が重い。
 最も重いクォークはトップクォーク。1994年発見。6つのクォークのうち最後に発見。

 20世紀、ブラック・ホール、ビッグバン、クォークなどSFも入り混じって関心高めだった。

 現代の宇宙像 / 佐藤文隆 / 1997 / 講談社

  佐藤氏は本年(2025年)逝去。宇宙物理学・宇宙論の第一人者でありました。

 素粒子の多くは不安定で観測困難。
 理論に基づいた予言があって、のち観測(発見)されるという流れ。
 小林・益川理論は、第3世代のクォークもありますという予言。のち発見(確認)。

 原子核を構成する核子(陽子、中性子)の生成は宇宙誕生から1秒未満。
 第2世代、第3世代の素粒子は1秒までの間に生成。一瞬で崩壊。
 逆に非常に安定しているのが陽子。

 崩壊しない(安定している)けれども相互作用の弱さゆえに捉えられない(観測困難な)素粒子もある。
 ニュートリノは存在の予言から発見(確認)まで20年以上要した。
 宇宙の質量の多くを占めるという暗黒物質(ダークマター)も相互作用の弱い素粒子が有力候補。
 物質よりもありふれた存在なのに誰一人目にしたことがない存在---
 先日、『暗黒物質がついに見えた!?』(東京大学 戸谷友則教授)(www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/10983/)という研究報告も。

 PDG particle data group(pdg.lbl.gov/)の
 pdgLiveをクリックもしくは
 Particle Listingsに
 様々な素粒子のリストがある。英語だけど。
  クォークはQuark