物質量の単位 モル molについて

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mol

 モル molという単位について。

 molecule(分子)由来の名。
 化学でたびたび出てくる基本単位。

 定義を読んでも?になってしまうかもしれないが、
 炭素原子(C)6.022×1023個で12[g(グラム)]、これが1[mol]。

 12という値は原子量。炭素 Cは12Cと質量の異なる同位体13Cが少し存在するが、平均相対質量(平均原子量)はほぼ12。
 12Cを基準に各元素の相対質量(原子量)が決められて、
 窒素原子 Nの原子量はほぼ14、
 酸素原子 Oの原子量はほぼ16、
 水素原子 Hの原子量はほぼ1。

 分子の場合、分子量。
 水分子 H2Oの分子量 2 + 16 = 18、
 アンモニア分子 NH3の分子量 14 + 3 = 17、
 二酸化炭素分子 CO2の分子量 12 + 32 = 44。

 窒素原子(N)6.022×1023個で14[g(グラム)]、これが1[mol]。
 酸素原子(O)6.022×1023個で16[g]、これが1[mol]。
 水素原子(H)6.022×1023個で1[g]、これが1[mol]。

 酸素や水素を基準に原子量を決めようとしたこともあったが、炭素 12C基準。
 
 水分子(H2O)6.022×1023個で18[g]、これが1[mol]。
 アンモニア分子(NH3)6.022×1023個で17[g]、これが1[mol]。
 二酸化炭素分子(CO2)6.022×1023個で44[g]、これが1[mol]。
 
 6.022×1023という数字は何なのだ---
 6022垓(がい)
  1020=1垓=1万京
  0.62秭(し)
 アボガドロ数(アボガドロ定数)という。
 アボガドロはイタリアの化学者。
  教科書などに肖像画が載っている
 2018年、物質量は炭素 12C基準からアボガドロ定数基準に変わった。

 ともかく
 1[mol]の粒子数(原子数、分子数)は6.022×1023
  = アボガドロ定数 NA

 1[mol]の原子・分子の質量は原子量・分子量
  Mで表す

 なので、
 質量 mg]の原子・分子の物質量 = (m/M)[mol]

 N個の原子・分子の物質量 =(N/NA)[mol]

 上の関係式は理解していないと
 化学計算壊滅状態に陥りかねない。

 粒子(原子・分子)1個の質量 m/Nは、
 M/NA
 ・・・ m/M=N/NA

 気体に関しては
 気体は分子から成ると考えたアボガドロさんの
 アボガドロの法則がある。
 同圧、同温、同体積の気体は同数の分子を含む。
  気体の種類によらない。

 標準状態(0[℃]、1[気圧、atm]=1013[hPa])の下では、
 22.4[l(リットル)]で6.022×1023個の分子を含む。
 これが1[mol]。

 体積 V[l]の気体[分子]の物質量 = (V/22.4)[mol]

mol -化学反応-

 化学反応式の各項の係数は整数。
 量的関係を表している。
 
 2H2 + O2 → 2H2O
の場合、
 2[mol]の水素と1[mol]の酸素が反応して、2[mol]の水が生成。

 質量に注目すると
 水素2[mol]で4[g]
 酸素1[mol]で32[g]
 水2[mol]で36[g]
 4 + 32 = 36。
 質量保存の法則。ラボアジエさん発見。「近代化学の父」。フランス革命の犠牲者。

 2[mol]の水 H2O
 2[mol]の酸素原子 O
 4[mol]の水素原子 H

 電池や電気分解の化学反応式にはイオンや電子が含まれるが、
 イオンも電子も同じように扱える。

 O2 + 2H2O + 4e → 4OH
の場合、
 1[mol]の酸素と2[mol]の水と4[mol]の電子から4[mol]の水酸化物イオン。

 電子 eの質量は原子に比べて小さい。0ではないが、無視扱い。
 イオンは電子が加わるか欠けるか。
 32[g] + 36[g] = 68[g]。
 電子込みでも質量保存。

 質量は無視扱いだが、化学反応で流れる電気量は重要。
 1[mol]あたり96500[C(クーロン)]。
 ファラデー定数 F。
 電子 eの他、原子価1価のイオンも同じ値。
 4[mol]だと38万6000[C]。

 n[mol]だとn × 96500 = nF。

 化学変化の量と流れる電気量は比例する。
 ファラデーの法則。

 流れる電気量が同じ場合、化学変化の量とグラム当量が比例する。
 これもファラデーの法則。
 グラム当量=[グラム]原子量/原子価。
  ※ equivalent eq
 例えば、
 酸素イオン O2-は2価の-イオンなので、
 酸素のグラム当量は、16/2 = 8。

 電子1個の電気量(=電気素量) eは、
 e = 1.602 × 10-19[C]。
 電子6.022×1023個(=アボガドロ定数 NA)の電気量は、
 e × NA = 96500[C]。
 = ファラデー定数 F。
 これが1[mol]。

 電気量 E[C]の電子の物質量 n = (E/96500)[mol]
 = E/F

理数
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