pH ピーエイチについて。
ずっとペーハーと読んでいる。手持ちの化学辞典にはピーエッチとある。
pH、それは水素イオン指数。
水素がHなのでpH。power of Hydrogen。
pHの値が7だと中性 pH=7。
7より小さいと酸性 pH<7。
7より大きいとアルカリ性(塩基性) pH>7。
塩基性を示す物質のうち水溶性のものがアルカリ。
青色のリトマス[試験]紙が赤色に変わると酸性。
赤色のリトマス紙が青色に変わるとアルカリ性。
酸性・アルカリ性に応じて変色するpH指示薬は、
メチルレッド、メチルオレンジ、チモールブルー、BTB(ブロモチモールブルー)、BCG(ブロモクレゾールグリーン)、フェノールフタレインなどいろいろ種類がある。
pHと色の対応はまちまち。
pH試験紙もある。

WR:WHOLE RANGE pH0~14
6月ももう終わり。アジサイの花も疎ら。
アジサイの場合、一般に
酸性土壌で花(ガク)が青色、
アルカリ性土壌で赤色(ピンク色)
と言われる。リトマス紙とは逆。
ちなみにリトマス紙はリトマスゴケ(リトマス苔)に由来する。
pH = -log10[H+]
水素イオン指数 pH = -log10[H+] = log10(1/ [H+])
[H+]は水素イオン濃度。
単位は[mol/l]。mol(モル)は物質量の単位。
pHはlog値なので対数。指数的に増減するのは水素イオン濃度 [H+]のほう。
pH=7は、
[H+] = 10-7
= 1.0×10-7 [mol/l]
pH=3は、
[H+] = 10-3
= 0.001 [mol/l]
pH=2 ・・・ [H+] = 10-2 = 0.01 [mol/l]
pH=1 ・・・ [H+] = 10-1= 0.1 [mol/l]
pH=0 ・・・ [H+] = 10-0 = 1 [mol/l]
pHの値が1小さくなると水素イオン濃度 [H+]が10倍。2小さくなると[H+]が100倍。
※ logの底が10。10の累乗
ちなみに地震のマグニチュード Mはエネルギーのlog値。底が√1000。Mが2大きくなるとエネルギーが1000倍
例えば、pH=2の水溶液(強酸性)を水で10倍に希釈すると[H+]が1/10でpH=3。100倍に希釈すると[H+]が1/100でpH=4。
ただし、酸性の水溶液を水で希釈してアルカリ性に変わるわけではない。その逆も然り。
アルカリ性の水溶液は、水酸化物イオン濃度 [OH–] に着目したほうが、pH=7を境に[H+]と対称的に捉えることができる。
水のH+とOH–の電離はわずかだが、
H2O ←→ H+ + OH–
水素イオン濃度 [H+]と水酸化物イオン濃度 [OH–] の積、すなわち水のイオン積 [H+][OH–]は一定の値。
25℃(常温)の場合、[H+][OH–] ≒ 10-14[mol2/l2]
[H+] = [OH–] = 10-7 [mol/l]で中性。
イオン積が10-14で一定ということは、
[H+] = 10-3ならば、 [OH–] = 10-11 ・・・ 酸性
[H+] = 10-12ならば、 [OH–] = 10-2 = 0.01 ・・・ アルカリ性
といった具合。
[OH-] = 10-0 = 1のとき、[H+] = 10-14。
pHのとりうる値は0から14。
例えば、pH=11の水溶液(強アルカリ性)を水で10倍に希釈すると[OH-]が1/10([H+]が10倍)でpH=10。100倍に希釈すると[OH–]が1/100([H+]が100倍)でpH=9。
pHの値の小さいほうから
強酸性 - 弱酸性 - 中性 - 弱アルカリ性 - 強アルカリ性。
強酸:塩酸 HClなど。
弱酸:酢酸 CH3COOHなど。
弱アルカリ(弱塩基):アンモニア NH3など。
強アルカリ(強塩基):水酸化ナトリウム NaOHなど。
酸、アルカリの強弱は電離度の大小。1から0。
強酸、強アルカリの電離度は1に近い。
弱酸、弱アルカリは水溶液中であまり電離しない。
酸と塩基 ⇒ 塩と水。
中和反応。
例えば、HCl + NaOH → NaCl + H2O
お酢(酢酸)やレモン水はpH3くらい。
海水がpH8~pH8.5。二酸化炭素排出量増加で海洋“酸性化”というのはpH7に近づくこと。
石鹸水はpH10前後。
強酸性の温泉は、
秋田 玉川温泉 pH1.2
秋田 川原毛大湯滝 pH1.4
など。
ひりひり。
強アルカリ性の温泉は、
埼玉 都幾川温泉 pH11.3
長野 白馬八方温泉 pH11.2
など。
ぬるぬる。