2023年 G7広島サミット、核兵器のない世界

LIFE

 2023年5月19日-21日、G7首脳会談(広島サミット)。

 昨年(2022年)元首相が襲われて、今年(2023年4月)も現首相が襲われて、
 今回の広島サミットには日本各地から計24000人の警察が集結。
 ウクライナ大統領も電撃訪問。
 少々心配だったが、無事閉幕して、ひとまず良かった。
 不穏な空気もあるが、依然日本は平和。

 G7(Group of Seven) = 日本、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、アメリカ、カナダ。
 1977年から毎年持ち回りで開催。
 2022年ドイツ、2021年イギリス、2020年アメリカ(ウイルス禍で中止)、2019年フランス、2018年カナダ、2017年イタリア、……。
 日本開催は7回目。前回が2016年伊勢志摩。
 その前は2008年北海道洞爺湖、2000年九州・沖縄。ロシアが加わっていたG8の時代。ロシアは2014年クリミア「併合」後、脱退。
 日本開催の1回目-3回目は東京開催(1979年、1986年、1993年)。

 近年、世界は平和から遠ざかり、アメリカとチャイナの摩擦も激しくなってきた。
 2022年2月、ロシアのウクライナ侵攻が始まり、1年経っても終わらない。

 (G7+新興国の)G20のほうがG7よりも重要という見方をする人も増えたが、
 ここ2年、再びG7の存在感が大きくなった。皮肉にもロシアのせいで。

 日本は西側諸国ではなく極東側の島国なので、
 価値観似ている国は太平洋の島嶼国。
 日本は世界の中心ではなく世界の果てなので、
 本来ならば中立掲げて機動的に振舞いたいところだが、
 G7の一員となって久しい。(当初はG5)。

 ここ2年、日本はG7においてそこそこ存在感がある。ロシアの暴挙にノーと明確に意思表示したことが欧米の国々には少し意外だったらしい。

 今回の広島サミットは、
 ・ 各国首脳の平和記念公園・資料館訪問
 ・ ウクライナ ゼレンスキー大統領訪問
が特別だった。記憶に残るだろう。

 毎回参加しているEU委員長、EU議長(大統領)の他、
 招待国がインド、ベトナム、カンコク、インドネシア、オーストラリア、ブラジル、コモロ(アフリカ代表)、クック諸島(太平洋諸島代表)。
 国連総長など7の国際機関トップも招待。
 よく練られている。

 ちなみに
 チャイナは中央アジアの国々とサミット。
 ロシアの大統領は国際刑事裁判所 ICCから逮捕状が出ているので、ICC加盟国の日本に来たら逮捕される。

 法を守らない者がなくならない限り(なくならないだろう)、
 核兵器廃絶は難しい。
 核軍縮の先にある(かもしれない)遠い理想。
 現実は、
 核[兵器]保有国でないウクライナが一方的に攻められて、
 核保有国であるロシアは核兵器に守られている。

 今回、広島から発したビジョンに対して、核抑止を容認している、と一部不満の声も聞かれるが、
 地元広島の首相だから広島開催も円滑にできた。
 G7の他の国々と隔たりがある中で、できる限りのことはやれたように思う。
  ※ アメリカ、イギリス、フランス --- 核保有
    ドイツ、イタリア --- 核[兵器]シェアリング(核共有)

 現状、日本を取り巻く核兵器“環境”は厳しい。
 ロシアとアメリカが数千発、チャイナが数百発の核弾頭を保有している。ロシア&チャイナでアメリカ+イギリス+フランスを上回り、ほうっておいたら前者が後者の倍倍……になっていく可能性すらある。
 ウクライナの抵抗のおかげで、ロシアが没落していく可能性のほうが高まったが、ウクライナ情勢を対岸の火事のように捉えている人も少なくない。

 よくよく想えば、
 核保有国の敗北こそ大きな転換点になる。核保有になびく動きも変わるだろう。
 到底起こり得ないことのように思えたが、
 核保有最多を誇るロシアが「敗北」すれば、核軍縮につなげられる。

 広島サミットの後も日本各地でG7関係閣僚会合が開催される。
  4月 札幌(環境・エネルギー)、軽井沢(外務)、倉敷(労働)、宮崎(農業)、高崎(デジタル)
  5月 新潟(財務・銀行)、仙台(科学技術)、富山・金沢(教育)、長崎(保健)
  6月 日光(男女)、志摩(交通)
  7月 東京(司法)、高松(都市)
  10月 堺(貿易)
  12月 水戸(内務・安全)

 来年の議長国はイタリア。 

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