電池「史」 その1

 2種類の金属、亜鉛板と銅板を液体に浸したら電気が流れた。
 水でも微弱な電流が流れるが、レモンやオレンジの果汁など酸性の液体に浸したらビビッと電気が流れて電池の開発が始まった。

 よりイオン化しやすい亜鉛板から銅板へ電子が流れるので、前者が-(負極)、後者が+(正極)。

 浸ける液体(電解液)を希硫酸としたものがボルタ電池。
 1800年頃、アレッサンドロ・ボルタ(Italy)が発明した最初の電池。
 起電力約1.1ボルト[V]。

 あいにくボルタ電池は銅板で発生した水素が電流を妨げて(分極)、長く持続しないので(起電力が低下)、電解液を変えるなどの改良が加えられ、持続するようになった電池がダニエル電池。
 1836年、ジョン・フレデリック・ダニエル(U.K.)が発明。

乾電池

 さらに液漏れしたり、寒冷地で電解液が凍らないよう改良された電池が、お馴染みの筒型乾電池(単1~単5、)。
 それまでの液体電池ではないから「乾」電池だが、カラカラではなく、糊(ペースト)状の電解液が入っている。

 乾電池は19世紀後半、屋井先蔵が発明したとされる。
 発明した年が1885年か1887年か、発明者は屋井氏が先かカール・ガスナー(Germany)が先か、など錯綜している点もあるが、
 -に亜鉛、+に炭素/二酸化マンガン、電解液に塩化アンモニウム、というマンガン乾電池と同じ構成の電池は、1866年、ジョルジュ・ルクランシェ(France)が発明したルクランシェ電池。「乾」電池ではないが、マンガン乾電池の原型となった電池。

『National NEO SINCE 1931』

 なお、乾電池の+に使われている炭素(黒鉛)は金属ではなく、還元されるのは水素の発生を防ぐ減極剤・二酸化マンガン。
 炭素[棒]は-の亜鉛から流れ出る電子を集める役割(集電)を果たしている。 

 アルカリ乾電池は日本では1964年、日立マクセルが商品化。
 マンガン乾電池よりもパワーがあって(電流大)、長持ち(電池容量大)。
 起電力はマンガン乾電池、アルカリ乾電池いずれも1.5[V]。
 あまり見かけないが、9[V]の角型電池は、単電池を6個直列につないだ集合電池。

 マンガン乾電池の電解液は、塩化アンモニウムか塩化亜鉛。
 アルカリ乾電池の電解液は、水酸化カリウム。

 パワーを必要としない機器ではマンガン乾電池で十分とされるが、物心ついた時には両方あって使い分けることなく今日に至る。

 長期間使わないまま入れっぱなしにしておくと高い確率で液漏れを起こす。
 電池から出ている白い結晶は、電解液の水酸化カリウムが二酸化炭素と反応してできた炭酸カリウム。
 青サビ(緑青)が機器の電池ボックスの端子にこびりついて動作不良になる。 

 「エボルタ EVOLTA」という乾電池もある。2008年、パナソニック(松下電器産業)が商品化。 
 2004年に40年ぶりの新型乾電池として「オキシライド乾電池」を商品化したが、数年で「エボルタ EVOLTA」にとって代わった。 
 「オキシライド乾電池」の+は、炭素/二酸化マンガン  オキシ水酸化ニッケル(酸化水酸化ニッケル)。
 「エボルタ EVOLTA」の+は、炭素/二酸化マンガン  オキシ水酸化チタン(酸化水酸化チタン)。
 -はいずれも亜鉛。
 ハイパワーかつ長持ちだが、見た目が変わらないせいか宣伝の割には従来のアルカリ乾電池と違うという認知はあまりされていない模様。

ボタン電池

 物心ついた時にはボタン[型]電池もあった。時計とかゲームウォッチとか。ああ、ウォッチも時計か。

 長らくボタン電池 = 水銀電池の認識でいたが、今日のボタン電池は、
 酸化銀電池 SR、アルカリ・ボタン電池 LR。
 + ボタンよりも少し大きくて薄いコイン[型]のリチウム電池 CR。

 小型だが、長持ち。かつ液漏れしにくい。
 子供が誤飲する恐れがある。舐めることはあるかもしれないが……。ああ、それを誤飲と言うのか。 

 酸化銀電池は、日本では1976年、日立マクセルが商品化した、ということだから、水銀電池と思っていた電池は酸化銀電池だった可能性もある。

 酸化銀電池は、-(裏側)が亜鉛、+(表側)が酸化銀、電解液は水酸化カリウム。
 銀が高騰したため、アルカリ・ボタン電池が代替電池として普及。こちらはアルカリ乾電池のボタン版。

 SRともLRとも表記がなく、RENATAと書いてあるボタン電池もあるが、レナータというスイスの電池メーカー。

 なお、リチウム電池は、吉野彰氏(など)が開発したリチウムイオン電池とは別物。

 参照)電池工業会のHP   → www.baj.or.jp/

 つづく。

 Sweden、ああ。
 ナナナナナ ナナナナナーナナ ナナナーナ……。
 合掌。

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